住宅のコンセプトの種類と理想の住まいの選び方

家を建てよう、リフォームしようと決意するタイミングや理由は人それぞれですが、大半の人にとっては人生で一度のビッグイベント!きっと叶えたい夢や希望であふれていることでしょう。

そこで今回は、住宅のコンセプトの種類と理想の住まいを手に入れるためにぜひ抑えておいていだきたいポイントについてお話ししたいと思います。

住宅の長寿命化

海外では住まいの寿命が80年、100年とも言われ、古ければ古いほど価値が上がるのに対し、日本の住まいの寿命は平均30年と言われてきました。それは高度成長期に入りマイホーム需要が増えたせいで、耐久性や寿命は度外視され、コスト重視で建てたことが住宅が長持ちしない要因の一つとされています。

しかし、これからの日本は人口、世帯数の減少が予想され、利用価値のある住宅を長く使う、住宅の長寿命化に市場もシフトしていきます。ですから、これからの家は100年先、子供や孫の代まで快適に住める長期的な資産として考える方が多くなっています。

引用元:nikkei4946.com「日本の世帯数

ですが、いきなり「資産価値のある家」というと、家づくりのハードルが高くなってしまいそうですので、まずは下記の3点について、ご家族と話し合うところから始めてみてはいかがでしょうか。

  • どんな家に住みたいか?
  • どんな風に暮らしていきたいか?
  • あなたにとって快適な家とは?

どんな家に住みたいか

「幼い頃に見た海外ドラマのような家」や、「ログハウスのような自然素材に囲まれた家」、「ホテルみたいなスタイリッシュな家」など、家に対する想いは人それぞれでしょう。

家の用途

家の用途もライフスタイルによって様々です。いわゆる戸建て住宅だけでなく、ご両親と同居するための2世帯住宅や、飲食店や美容室といった店舗兼住宅、家主居住型の民泊サービスを始めるためにリフォームする方もいらっしゃいます。

最近、注目されているのが、賃貸物件と自宅がセットになった賃貸併用住宅で、家賃収入で住宅ローン返済できるのが魅力となっています。将来的にはご両親やお子様と一緒に住んで二世帯住宅とすることも可能です。

家のテイスト

外観デザインや、インテリアのテイストを決めると、統一感のある家になります。家の外観だけでも下記のようにたくさん種類があって迷ってしまいそうですが、外観が決まると部屋のインテリアのイメージもしやすくなります。

外観デザインの一覧

和風

塗り壁や引き戸の玄関、格子を用いた造作、掃き出し窓に縁側など、京都の町屋風や、古民家風といったデザイン

モダン

色味は黒や白、グレーなどのモノトーンカラーで、軒などがなくすっきりとした外観で全体的に落ち着いた印象

和モダン

屋根瓦や外壁を漆喰にしたり、軒天や外壁のポイント、縦格子のルーバー等に木や木目調の素材を用いるなど、和風と近代的なモダンデザインが融合している。

アメリカン(カリフォルニア風)

アーリーアメリカンスタイル、アメリカンスタイルとも呼ばれ、人気のサーファーズハウスも、この1種。外観は白やライトブルーなど明るめのカラーが多く、東西に屋根がかかり、南側にすっぽりと屋根で覆われた広々としたバルコニー「カバードポーチ」を設けるのが基本スタイル

北欧

急勾配の大屋根または、三角屋根と、「1階部分と、2階部分の外壁」や「外壁と、軒や幕板などのライン・窓枠」といった部分の色をメリハリのあるツートンカラーにしておしゃれ感を演出

南欧

白や明るいベージュを基調とした外壁に、オレンジ系の素焼き瓦、木や木目の玄関ドア、アイアンの窓枠や妻飾り、玄関ポーチがアーチ型になっていることが特徴

ナチュラル

白を基調とした外壁に、玄関やベランダ、軒天や外壁のポイントとして天然木やタイル・レンガなどの自然素材を取り入れ、木本来の温かみを味わうことができるのが特徴

「ログハウスで暮らしたい」という夢を形にしたBESSの家

ログハウスは木の香りにあふれ、デザインも個性的ですが、いわゆる普通の戸建て住宅に比べると、柱の高さ調節や壁の塗装など定期的なメンテナンスが不可欠です。

BESSの家はホームページにもあるように、効率重視とはいえない価値観を大切に、手間のかかる家のメンテナンスを自らが楽しむという、メンテナンスフリーの時代と逆行したコンセプトを掲げており、保証制度や無償定期診断など必要なサービスはありますが、業者まかせではなく自分の手で家をメンテナンスしながら大切に暮らしていきたい自然派志向の人に向いているでしょう。

どんな風に暮らしていきたいか

BESSの家もそうですが、ログハウスという家の形だけでなく、「自分で家に手を加えていく生活を楽しむ」というように「家を建てたら、どんな風に暮らしたていきたいか」についても考える必要があります。

どんな暮らしがしたいかと言われても、”普通”に暮らせたら十分と思う人もいるでしょうが、合理性重視の人もいれば、感性重視の人もいて、”普通”の感覚は人それぞれ違います。

普通の暮らしとは何かを明確化

”普通”の暮らしとは何かを明確化するのに手っ取り早い方法は、今の暮らしで不便、不満に思っていることを挙げてみることです。「ただ普通に暮らしたいだけなのに・・・」といった日々のちょっとしたイライラ、暮らしの不便、不満を家づくりで解消することが、ストレスなく”普通”に暮らせるということなのです。

不便、不満を解決するのは設計側の仕事です。外観やインテリアのこだわりだけでなく、実際の暮らし目線での要望を伝えると、設計側はより具体的なプランを提案することができます。

暮らしの不便、不満とその対策例

  • 家族に邪魔されないテレワーク環境を整えたい → (対策)書斎の設置
  • 料理、洗濯、掃除などの家事を楽にしたい → (対策)家事動線を意識した間取り設計
  • 収納が少なく物があふれている → (対策)ウォークインクローゼットを設けるなど収納力UP
  • 家族が増えて、トイレや洗面所が渋滞 → (対策)1Fと2Fにトイレ設置、洗面台を増やす
  • 高齢の両親にはきつすぎる段差 → (対策)家の段差をなくし、手すりを設置
  • 花粉、PM2.5が心配で洗濯物を外干ししたくない → (対策)ランドリールーム、サンルームの設置

あなたにとって快適な家とは

暮らしの不便、不満を挙げたら、さらにもう1歩踏み込んで考えていただきたいことがあります。それは「あなたにとって快適な家とは?環境とは?」についてです。

家づくりにおいても、「ツライけど、家ってこういうものだから・・・」という我慢の時代は終わり、これからは QOL(Quality of life:クオリティ オブ ライフ=人生の質、生活の質)を向上させる時代にシフトしています。

日本の断熱性能は先進国の中で最低レベル

日本では断熱が家を建てる上で重要視されておらず、日本の住居の断熱性能は先進国の中で最低レベルです。家が「暑い」、「寒い」、「結露する」は当たり前ではなく、家の性能をUPすれば解消できることなのです。

外皮平均熱貫流率(UA値)とは

住宅全体からの熱損失量と天井、壁、床、窓などの外皮合計面積で割った値です。数値が小さいほど断熱性能が高いということになります。

右図の通り、日本の住宅は断熱性能が低いことが分かります。

引用元:野村総合研究所「海外における省エネ規制・基準の動向

家は資産 ~ 住宅先進国ドイツ

ドイツは温室効果ガス削減に積極的に取り組み、国が主導して建築物の省エネと自然エネルギー利用を組み合わせた法整備・財政支援を行う環境先進国であり、住宅先進国でもあります。

暖房によるエネルギー消費抑制のために国として断熱改修に力を入れており、未だに断熱性能の低い単板ガラス、アルミサッシの家がほとんどの日本とは違い、トリプルガラス、樹脂サッシが家の標準仕様となっています。ドイツの人々にとって家とは資産であり、「品質にこだわった家で末永く快適に暮らす」という考え方が根付いているのです。

日本も家の性能が資産価値を左右する時代に

一方、日本では国土交通省は脱炭素社会の実現にむけ、2025年以降、すべての新築住宅の省エネ基準(等級4以上)クリアを義務化しました。さらに上位の断熱等級5・6・7を新設し、徐々に基準を引き上げる予定です。

ですから、家の資産価値という意味では、省エネ基準が今後ますます厳しくなることを考慮して家を建てなければなりません。これまでの最高等級だった「断熱等級4」は、一転して「最低」等級になりますので、基準に適合していない住宅の価値は相対的に低く評価されてしまうでしょう。

住む人の健康を守る家

安全でバランスのとれた室温は18℃以上

WHO(世界保健機関)は、2018年に「住宅と健康に関するガイドライン」を発表しました。その冒頭では「住宅環境の改善は命を救い、病気を減らし、生活の質を高め、貧困を減らし、気候変動の影響を和らげ、SDGsの達成に貢献する。」と語られています。

住む人の健康を守るためには、寒い時期でも「安全でバランスのとれた室温」として室内温度は18℃以上を維持するべきと世界基準として発信しています。

ヒートショック予防のために

日本では、冬場は局所暖房(人がいる所だけ暖める)が当たり前で、全館暖房(建物全体を暖める)という発想そのものがありませんでした。加えて、全館暖房、つまり、全館空調は断熱性能の低い、いわゆる暑くて、寒い、隙間だらけの家では十分な効果を発揮できないため、部屋ごとに冷暖房する個別空調がスタンダードとなっていました。

しかし、エアコンなどの個別空調は冷暖房の届く範囲に限界があり、真冬に暖房がついている場所とそうでない場所の温度差は10℃以上あると言われています。

この家の中の温度差で急激に血圧が低下するヒートショックは、その死亡者数が交通事故による死亡者数を大きく上回り、寒い時期になると消費者庁をはじめ、多くの機関がヒートショック予防に関する注意喚起をしています。

全館空調は文字通り、リビング、キッチン、各居室、トイレ、洗面所、浴室に至るまで24時間365日同じ温度で過ごすことができ、冬場のヒートショックや、夏場の室内での熱中症の予防につながります。

よって、将来的に高気密、高断熱の家が当たり前となるであろう日本において、全館空調はますます導入数の増加が見込まれます。

風の出ない全館空調F-CON

もう家の中で、「暑い!寒い!」を我慢する時代ではありません。全館空調も色々な種類がありますが、F-CONは送風(気流)ではなく輻射の原理で家全体を空調する無風の冷暖房システムです。

F-CONの仕組みや特徴については、こちらをご覧ください。

温度ムラや送風による身体的ストレスから人々を解放する、快適性に優れた輻射式冷暖房は、日本でも徐々に導入が進んでいる注目の設備です。

輻射式冷暖房の特許も取得している弊社が開発したF-CONは、エアコンの風が苦手なお客様や、送風で拡散される花粉やホコリ、ウイルスを心配するお客様からも高い評価をいただき、「毎日、家の中が快適で、心も体も健康で過ごせる」といったお喜びの声をたくさんいただいております。

F-CONを導入したお客様のお喜びの声はこちら

まとめ

家は人生の中で最も長く過ごす空間であり、新型コロナウイルスの流行により、おうち時間が増えたことで家の快適性を求める方が増えてきました。これぞまさにQOL(Quality of life:クオリティ オブ ライフ=人生の質)の向上といえます。

ご自身にとって理想の住まいとは何かを考える際、外観やインテリアも大切ですが、それだけに留まらず、そこで暮らす家族をイメージして、ぜひとも”快適性”まで踏み込んで考えてみてください。快適性にこだわった家は日々の暮らしが豊かになるだけでなく、おのずと資産価値も高く評価され、末永く愛される家となることでしょう。

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